セバスチャン・リュドマン Sébastien LUDMANN
受賞作品
Golden Kamui Satoru Noda, Ki-oon.
(野田サトル『ゴールデンカムイ』)[翻訳者のコメント] 「ゴールデンカムイ」の翻訳の話をもちかけられたとき、読者としての喜びとともに、大変な作業になるであろうという予感があり、2つの感情の中で非常に悩んだ。テキストが繊密であるがゆえに必然的に生じる難しさに加え、アイヌ語の書き換え、フランス語に相当する語がない軍事用語や植物学用語、文化的背景の置き換えなど、この作品に特有の問題があったからだ。 しかし、最終的には挑戦してみることに決めた。私が初めに抱いていた不安は、満足へと変わった。翻訳者というものは普段は孤独に作業をするものだが、フランスや日本の編集者と相談しながらアイヌ用語集を作ることで、そのしきたりは崩壊し、そのことこそが私に新しい言語を教えてくれた。また、研究のために、雪に覆われた北海道の山に2度登ったが、おかげでそこには驚くほど豊かな文化があることを発見した。だから、私はここで言う。「ありがとう、ゴールデンカムイ!」
[あらすじ] 杉元佐一は、20世紀初頭に起こった日露戦争の真のレジェンドである。「不死身の杉元」と呼ばれ、日本で最も未開の地、北海道で死線を潜り抜けた。しかし、戦争が終わると、仲間もなく孤独で、その上一文無しであった。そんな時、自然と調和して生きるアイヌが秘蔵していたという75キロの伝説の金塊の存在を知る。しかし、その金塊は、凶悪犯を収容する網走監獄に収監されていたとある男によって奪われ、どこかに隠されているという。その手がかりは、脱獄囚の体に彫られた謎の入れ墨だけ。杉元の宝探しが今始まる!
漫画翻訳賞について
日本漫画の翻訳出版は、今や、日本の新しい文化・魅力を海外で発信するもっとも有力で効果的な手段の1つとなっています。その中で「翻訳者」は、まさに文化間の懸け橋として非常に重要な役割を担っており、フランスにおける日本漫画の躍進も、翻訳者の情熱とプロ意識の賜物です。当財団では、翻訳者の責務の重要性に注目し、その緻密な努力に報いるべく、2017年1月に小西財団漫画翻訳賞を設立しました。 この賞は日本漫画のフランス語訳から優秀な作品の翻訳者を選考し、顕彰します。
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漫画翻訳賞 公式サイト | http://konishimanga.fr/ |
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選考委員: | パトリック・オノレ (翻訳家) ステファン・ボジャン (アングレーム国際漫画祭 ディレクター) カリン・西村=プペ (ジャーナリスト、AFP通信特派員) クロード・ルブラン (ズーム・ジャポン誌 編集長) ステファン・フェラン (元グレナ出版 漫画部長) |
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選考対象 : | 2015年10月1日から2017年9月30日に出版された日本漫画のフランス語翻訳作品 |
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結果発表 : | 第45回アングレーム国際漫画祭にてグランプリ発表(2018年1月26日) |
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【第1回漫画翻訳賞 ノミネート作品】