シルヴァン・ショレ Sylvain CHOLLET
受賞作品
DAI DARK
Q HAYASHIDA, Soleil Manga
[翻訳者のコメント]林田球先生にしか想像することができない、この独創的なスペースオペラに再び出会うことができるとは、何と嬉しいことでしょう!サンコと仲間たちは、とんでもない広大な宇宙を縦横無尽に駆け巡ることを決心したようなので、私は、その中に散りばめられた数々の言葉遊びや独特な言葉遣いを解読しながら、恐怖とユーモアが韻を踏む、このおかしな世界観のトーンのずれを最大限再現できるように、ひたすら努めました。
[受賞コメント]小西財団漫画翻訳賞を受賞することができ、とても嬉しく思っています。『大ダーク』という作品は、私にとって、他の作品とは全く違う、特に愛着を持った作品なので、この作品で受賞できたことで喜びもひとしおです。
このスペースオペラは、乱暴なシーンもありつつ、話としては温かみがあって、林田球先生の類まれなグラフィックとシナリオの技量がしみ込んでいます。楽しく読める、そして、翻訳しがいがある作品でした。というのも、この漫画家のあふれんばかりの想像力から生み出される突飛なコンセプトをフランス語に落とし込むためには、やはりある一定量のファンタジー要素が必要であることが分かったからです。私が嬉しく思ったのは、巻を追うごとに筋書きが豊かになっていくので、楽しい時間はまだまだ続き、おもしろ怖い新展開が次々と起こると期待できたことです。
小西国際交流財団と小西千寿理事長、そして、翻訳者という職業に価値を与えることを使命としているこの賞の運営に関わる全ての皆様に心から感謝申し上げます。そして、もちろん、ソレイユ社の皆様、特に、『ドロヘドロ』の後、この『大ダーク』の翻訳を再び私に任せてくれたジョアナ・アルダイヨン様とイケル・ビルバオ様にも御礼申し上げます。
[あらすじ]無限に広がる宇宙の暗闇の中、不思議な力を宿した骨を持つ一人の若い男が、忠実な「ニーモツ」と共に、命を狙う宇宙人から逃げながら旅をしていく物語。
ザハ=サンコは、スパゲッティをこよなく愛す青年で、宇宙の闇の中を旅している。話によれば、サンコの骨はどんな願いも叶えてくれると言うので、宇宙中のごろつきが彼の命を狙ってくる!忠実な相棒アバキアンと共に、サンコは襲い来る敵を片っ端から叩きのめしていく。
選考対象 | : | 2021年10月1日から2022年8月31日に出版された日本漫画のフランス語翻訳作品 |
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グランプリ発表 | : | 第50回アングレーム国際漫画祭(2023年1月28日) |
選考委員 | : |
ブランシュ・ドゥラボルド(漫画研究者) ジュリアン ブヴァール(リヨン第3大学准教授) グザヴィエ・エベール(GRENA会員・漫画研究者) グザヴィエ・ギルベール (「du 9」編集者) アントナン・ベシュレール(ストラスブール大学准教授) |
【第6回漫画翻訳賞 ノミネート作品】