第5回漫画翻訳賞グランプリ
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ナタリー・ルジューヌ Nathalie LEJEUNE
受賞作品
BLUE PERIOD
Tsubasa YAMAGUCHI, Pika
[翻訳者のコメント]冗談ではなく、ブルーピリオドは一つの芸術作品です。 山口つばさ先生は、幅広い、かつ主観的なテーマを扱うという挑戦を易々とやってのけます。小難しい教育学やうわべだけの擁護に陥ることはありません。それどころか読者を、情熱的に、親切に、明るくユーモアたっぷりに、漫画家が作り出した世界、そして漫画家が生み出した型にはまらない登場人物達の世界へと導きます。この作品は美術を漫画のために使い、また漫画を美術のために使っている、ハイブリッドな作品です。
私がこのシリーズの翻訳で気をつけたことは、日本語の原文のリズムと流れを維持しながら、八虎の内面の感情を再現することでした。八虎は絵を描くとき、別人となります。弱さをさらけ出しつつも、そこから持てる力を存分に発揮するのです。そのため、ちょうどいいトーンを見つける必要がありました。彼を取り巻く仲間たちも負けてはいません。ユカちゃんのキャラクターは私には難しかったですが、私は彼女が大好きです!
[あらすじ]八虎は成績優秀で世渡り上手な高校生。しかし、以前から空虚さを感じていた。偶然目にした一枚の絵に完全に心奪われるまでは。ほどなく、八虎は絵を描くことが自分の感情を表現し、自分の真価を発揮する唯一の手段であると気づく。この出来事をきっかけに、八虎は全身全霊で絵に打ち込むことを決め、最難関の美大受験に挑む。
選考対象 | : | 2020年10月1日から2021年9月30日に出版された日本漫画のフランス語翻訳作品 |
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グランプリ発表 | : | 第49回アングレーム国際漫画祭(2022年3月19日) |
選考委員 | : |
ブランシュ・ドゥラボルド(漫画研究者) ジュリアン ブヴァール(リヨン第3大学准教授) グザヴィエ・エベール(GRENA会員・漫画研究者) グザヴィエ・ギルベール (「du 9」編集者) アントナン・ベシュレール(ストラスブール大学准教授) |
【第5回漫画翻訳賞 ノミネート作品】